
原風景【管理人のエッセイもどき:2025年5月30日】
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がやてっく管理人ゲスト
皆様、こんにちは。
道路を橋に向けて、ゆるやかな上り坂を超えれば、そこには大きな川が流れている。季節の移ろいは緑と青が教えてくれる。白い雲は、空がどこまでも高いことを表していた。夏は近所の駄菓子屋で買った10円のアイスを、大きな木に囲まれた公園で食べて、冬は自動販売機で温かいコーンポタージュを買って、歩道を車のエンジン音を聞きながらちびちびすすった。
色彩が、こんなにくっきり変化するのも珍しいと思う。住宅街が、自然の色合いによって印象を変えるのだ。春は淡い水彩画、夏は光の祭典、秋はポラロイド写真で、冬はモノクロフィルム。それぞれの印象に応じて、空気も風の流れも、遊び方も変わってくる。毎日表情が違うから、それは小さな冒険だった。
とにかく沢山走り回った。自転車でも、自分の足でも。色々なところに行けた。中には、まだ誰にも発見されていない秘密の場所、聖域だってあった。ただ真っすぐだけが続く1本道、凹凸の際立つ整備されていない道路、どこからどうみても山下りな小さな絶壁、視線の先が真っ暗な路地裏、未知の生物がはびこっていそうな雑木林が、いつも小さな心をドキドキさせてくれた。
夢心地な世界で流れる陽気な民謡が聞きながら、次々に新しいステージを開拓し、いつの間にか現実と真実の狭間で揺れる仮想世界が目の前に広がっていたのだった。
ありのままに流れていく時間を忘れた捕食者たちが自然をないがしろにしていく様を眺めながら、その年の夏、アメリカザリガニは水田の中で干からびて死んでいた。きっとこれから、見たこともない動物や虫、植物が増えていくだろう。僕が見ていた原風景は、今も名残だけが静かにそこにある。匂いだけが残っている。寂しいと思うかもしれないなんて想像していたけれど、実感は、案外寂しくなかった。それが、少しだけ悲しかった。
今日も、がやてっくにアクセスしてくれてありがとうございます。
これからも、がやてっくを宜しくお願い致します。原風景には人間が表れるなと思っています。
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