
サンズリバーサイド【管理人のエッセイもどき:2025年5月12日】
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越谷雑談がやてっく管理人ゲスト
皆様、こんばんは。
今日は朝から外出が続いたため、今から書き物をスタートします。
一昨日から、舞台を観に行った話をしていますが、昨日千秋楽を迎えたとのこと。そろそろ、舞台の感想を書いても良い頃合いですかね。
タンク☆ポップのwakkoさんが女優デビューするという縁で、サンズリバーサイドという舞台を観に行きました。舞台は、幽霊と人間と死後の世界へ誘う使者がそれぞれの思惑の中で動き、最後は3つの世界線が交わるというお話です。幽霊はきっと無自覚で、お話が進むにつれて主体的になっていきます。死後の世界へ誘う死者は、最初から目的は変わりません。それ以外に私情を挟むわけではないのですが、最後に人と幽霊を結ぶ大切な役割を果たします。人間はとても人間らしかったです。目的がはっきりしていて、そこに向けてひたむきに動いていました。このお話の舞台は健康ランドです。1つの場所を上手に使い、それぞれのポジション(幽霊だったり、人間だったり)が、自分の考え・気持などを吐露していくという流れです。
wakkoさんは、死後の世界へ連れて行く使者の役でした。堂々とした演技でしたね。wakkoさんらしい役割だなと思いました。タンク☆ポップでも、誰かにスポットライトをあてていますしね。演技は、この世のものではない使者ですから、かえって抑揚や感情を発揮する必要があまりありません。アーティストという得体の知れないイメージを具現化する人間は、あーいうこの世のモノじゃない何かを演じるのが上手いです。とはいえ、お客さんに感情移入というか、何が目的なのかをはっきり伝えないといけないわけで、通訳として良い動きをするお目付け役みたいな女性とツーマンセルで動いていました。この女性も、すごく良い役割でした。動きがあって、声がよく通る。死後の世界がどういう所で、なぜ幽霊を連れて行かなければいけないのかを、ポップな形で客席に提示してくれているなと感じました。そうですね。西遊記の三蔵法師と孫悟空をイメージして頂ければいい。近いと思います。
舞台って面白いですよね。場面転換が難しいから、箱全体を使って、工夫して演出するのです。例えば、幽霊は必ず健康センター内にいて客席から見て右側に捌けていきます。しかし、人間は舞台の裏側から出てきて最後は左に捌けていくのです。右側が死後の世界で、左側は人間界みたいな事なのでしょうか。使者は、箱の後方から、もしくは舞台と客席の間に右側のドアから出入りします。人間界でも霊界でもない場所から登場することで、人間でも幽霊でもないということを表すのです。ちなみに、彷徨う男性も出てきます。この人は、舞台の最後で正体が明らかになるのですが、この方も最初の登場が客席後方からなのですね。すでに、幽霊とも人間とも違う特別なポジションにいることを暗示させてくれるわけです。最後に3つの世界が交わるとき、主要な役者が全員舞台の上に揃うのですが、その時の立ち位置も実に面白かったです。様々な絆を演出してくれるのですが、使者だけはその輪の中に入りません。あくまで俯瞰してみているのですが、それだと冷たく見えてしまうからでしょうか、一緒にいる女性は舞台を右から左に横切って、死者が幽霊と人間を囲むような形になります。役者の配置で心境を表そうとしているということですよね。立ち位置だけで、演技に拍車がかかるわけです。
お話の中で面白い・笑ってしまうという部分がいくつか出てくるのですが、僕は妙に納得してしまいました。特に幽霊と人間の絡みは、セリフではなく動きで笑いを起こそうとするのですが、あの動きは舞台ならではだなぁと感じました。コメディとは、あーいう動きと動きの交わりの中から生まれるものなのでしょう。チャップリン的な感じがして、とても素敵だなと思いました。
今回、どの役者さんにも必ずお話を進行させる役割があって、誰一人見逃せないのが興味深かったのですが、俳句を詠む根無し草の女性が特に印象に残っています。有名な俳人らしいのですが、作中で1回もちゃんとした俳句を詠みません。しかも、出てくるのは一瞬です。しかし、その方は客席から見て右側から出てきて左側に流れていきます。これは、先述した通りです。そこは、人間にとっては違和感である場所だってことを理解させるために一役買っているのです。また、舞台となる建物の持ち主である女性に商才があるということ・その女性の性格などを引き立てるために、あの俳人は絶対に必要なポジションだったのだと僕は思っています。
人間から幽霊になってしまう人も登場するのですが、成仏するためのルールを理解するためには、あの人々も必要なのです。未練とは、必ずしも成仏を妨げる想いではないということを伝えるためには、あの役は絶対に必要でした。1つ1つ、人物に細かな設定があるからこそ、役割が活きてくるのだと感じました。
もちろん、もっと観たいなと思う部分もありました。例えば、使者の付き人が悪霊の存在をほのめかすシーンがあるのですが、1人その場で悪霊になってもおかしくない人がいたのです。悪霊になってしまうと、死後の世界ではどのような扱いを受けるのか。そこは少し気になりました。とはいえ、完全なハッピーエンドを迎えるには、あそこで悪霊になるという選択は無いと思うので、あの形で良かったのだと思います。
まだまだ書きたいことはありますが、総じてすごく面白かったです。死んでしまった後にあんなに世界が待っているのなら、それは1つの救いなのではないか。そんな風に思いました。登場した人物が全て救われる。悪い人が1人もいない。すごく安心して観ることの出来る舞台だったなと思います。
実際の舞台で観ることはもうできませんが、映像化するみたいです。一度観てみてはいかがでしょうか?
誰でも楽しめる優しい世界に満ちたお話だと思います。
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