<�絶対に甘党宣言!>逃亡【がやてっくグルメ】
- 2022/03/20 06:00
- あー さん
- がやグルメ

<ヒュルヒュルヒュルヒュル>
<フォーーーーーン>
<タタタタタタタタ>
拓哉は夜の空を見上げた。
どんなに逃げても夜の空を見上げると常に誰かに見られている気がした。
それと同時に自分が犯してきた罪をすべて許してくれているようにも感じた。
「宇宙か、、、」
吐いたと息は一瞬で白くなり一瞬で消えていった。
疲れた体は外の外気に近づこうとしているように感じた。
このまま、よく分からない公園のトイレの中で一生を終えてしまうと思うと、今になって自分の人生がかわいそうに思えてきた。
<ヒュルヒュルヒュルヒュル>
<フォーーーーーン>
<タタタタタタタタ>
拓哉は気を失って眠ってしまった。
・
・
・
そう、拓哉は悪気があったわけでも何を憎んでいるわけでもなかった。
大学生活も3年になり単位も順調に取得し何事も問題なく進んでいた。
いや、進んでいたように思えた。
しかし、裏の世界では別の物語が進んでいて、その世界では決して順調ではなかったのかもしれない。
「、、、裏の世界の別の物語。」
口にするとそんなことがあり得ないことに気付けた。
しかし、口に出さないと気付けないほど拓哉は冷静さを失っていたのかもしれない。
拓哉はゆっくりと「甘党宣言」をした。
黒服の男はさわしなくうなずき、そして消えていった。
曲がり角を曲がる寸前に微かに動きが止まったかのように思えたが、気のせいだったかもしれない。
そして、黒服の男から聞いた通りの展開となった。
目を覚ますといつも通っていた懐かしい店内で、1人で座っていた。
時計に目をやると、9時と表示されていたが、朝の9時か夜の9時か、判断がつかなかった。
秒針が5の数字を通り過ぎたと同時に商品が運ばれてきた。



拓哉は自分の中の「何か」がせからせていることを冷静に受け止め、時間をかけてゆっくりと食事を勧めた
ホイップとチョコを構成する糖分が嘘のように体を駆け巡った。
本来の世界では3日間は食事をしていなかった。
裏の世界の別の物語にいる自分は空腹とは程遠い状態だった。
糖分が本来の世界の自分を強く鼓舞し血肉へと変わっていった。
いや、裏の世界の自分にとってはそう願うしかなかった。
拓哉はゆっくり目を閉じて、ほのかに笑った。
<ヒュルヒュルヒュルヒュル>
<フォーーーーーン>
<タタタタタタタタ>
・
・
・
拓哉は交番に向かった。
自分を狂わした彼女を許す気はしなかったが、これ以上無駄な消耗戦を続けるほどの意義は見い出せなかった。
彼女が帰らぬ人となってから4日が経つだろうか。
拓哉は彼女の願いを叶えただけだった。
「何も考えることはない。」
拓哉は心を取り戻した。
明日から新しい世界が待っているがしっかりと進んでいこう。
新しい「君」と共に。
~END~
※絶対に甘党宣言!の物語はフィクションですが、登場しているデザートは越谷市内の店舗で実際に提供されているデザートです。
※今回は「サンポ珈琲」さんのデザートでした。