2024/4/19越谷 がやてっく 雑談 ローカルメディア ローカルサイト越谷CITYメール
司法司書法人和光事務所

<絶対に甘党宣言!>E=mc²【がやてっくグルメ】


<絶対に甘党宣言!>E=mc²【がやてっくグルメ】

<チュンチュンチュン>

<カキカキカキ>

<プツリ、、、>

もう11月、寒さが増してきた。

しかし、梓にとって気温は重要ではなかった。

そんなことより、模試のテストの点数が一番重要だ。

東大の医学部を目指していたが、高校3年の今になって現実の壁にぶつかっていた。

「上手くいくわけないよね。」

勉強をしていても、1時間ごとに集中力が切れる。

先日の模試の結果で合格C判定。

テストの手ごたえは悪くなかったが、余裕を感じた訳でもない。

<チュンチュンチュン>

<カキカキカキ>

<プツリ、、、>

週末の昼の11時30分。

蒲生のコワーキングスペース。

8時から缶詰で勉強すると自分に誓ったが、また集中力が途切れた。

「ダメだ、外に出よう。」

梓はそのまま散歩に出かけた。

高架下を南越谷駅へ向かって歩いた。

上を見上げると青空が昨日より突き抜けていた。

そもそも梓は勉強自体が好きなわけではない。

中学生の頃、アインシュタインの伝記を読み、アインシュタインの人間性に惚れた。

同時に、物理学と自分の思考がシンクロしているように感じた。

「もっと学びたい」

その思いだけで勉学に励んだ。

<チュンチュンチュン>

<カキカキカキ>

<プツリ、、、>

「元気な子に育てば。」

母親は昔そう言ってた。

しかし、中学2年生の期末テストで学年1位の成績を取ったころから両親の雰囲気が変わっていった。

「医師になれば将来安泰ね。」

そんなことをつぶやくようになっていた。

梓はアインシュタインの情熱や考え方が好きなだけだった。

なので、逆に決められたレールの上を進むことに抵抗はなかった。

しかし、今になって「何か」が自分の中にあることに気付き始めた。

そんなことを考えて散歩をしていると、原付バイクが私の方に向かってきた。

梓はとっさに避けようとしたが、避けた方にバイクが突っ込んできた。

頭の中が真っ白になった。

いや、真っ白になったような気がした。

大漁の水槽に入れられたうなぎのようにうねった。

そこから目を覚ますと、とある喫茶店のような何かのギャラリーのような場所にいた。

白髪混じり店員は梓の存在を認めていなかったが、テーブルの上にパフェを置いていった。

「そうか、、、甘党宣言とはE=mc²では解けないのね。」

梓は目の前のパフェを頬張った。

その甘さは熱くなり過ぎていた心臓をクールにしてくれた。

クールになると「何か」が顔を出した。

「E=mc²」

特殊相対性理論を知った時の衝動が蘇った。

<チュンチュンチュン>

<カキカキカキ>

<プツリ、、、>

梓は蒲生駅のコワーキングスペースに戻ると深呼吸した。

体中に酸素がいきわたった。

当たり前のことだが、朝スズメがよく鳴いているわけではなく、周りが静かだからスズメの声が良く聞こえているのだ。

<チュンチュンチュン>

<カキカキカキ>

<プツリ、、、>

梓は自分のレールの上を走りだした。

新しい「君」と共に。

~END~

※絶対に甘党宣言!の物語はフィクションですが、登場しているデザートは越谷市内の店舗で実際に提供されているデザートです。

※今回は「珈琲豆販売所 晴れ晴れ珈琲 越谷店」さんのデザートでした。