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埼玉で吃音カフェが開催。当事者が自分らしく接客【越谷ニュース】


埼玉で吃音カフェが開催。当事者が自分らしく接客【越谷ニュース】

吃音のある人が働きやすい環境をつくる「注文に時間がかかるカフェ」が10月7日、埼玉県越谷市で開催された。吃音カフェは全国各地で出張開催しており、県内では初めての試みだった。吃音のある人が自分のペースで接客することで、自信や前向きな気持ちを持つことを目指している。

吃音カフェの発起人は奥村安莉沙さん(31)=都内在住=。奥村さんは10歳の頃から吃音に悩まされてきた。人と話すことが好きだったが、自分の名前やあいさつもうまく言えなかった。周囲からからかわれたり、接客業に向いていないと言われたりしたこともあった。しかし、26歳の時にオーストラリアに留学したことで、言葉を発せない人も笑顔で接客するカフェに出会った。それをきっかけに、吃音を抱える人が働けるカフェをつくりたいと思うようになった。

吃音カフェの特徴は、接客のマニュアルがないことだ。スタッフは自分の間で話しやすい言葉で対応する。言葉に詰まったり、間延びしたりすることもあるが、それを恥じることなく自分らしく接客する。スタッフのマスクには「最後まで聞いてほしいです」など個別にメッセージを記している。受け付け時には吃音や店の仕組みについて説明し、理解してくれた人のみ利用してもらっている。

今回の越谷市での開催では、事前予約制で満席となった。来店したお客さまはスタッフの接客に温かく応えてくれた。スタッフの一人である美里町在住の大学4年生の男性(22)は、「店員として一生懸命働いてみたい。お客さまの明日への活力になれたら」と話した。彼は高校1年生の時に吃音を発症し、教師を目指しているが、授業中に症状が出て生徒たちから冷ややかな目で見られたことがあった。吃音カフェではそんな苦い経験を乗り越えるチャンスになったという。

吃音カフェはこれまで東京や大阪など全国18カ所(8月29日現在)で開催し、116人が接客に参加、1万5964人が来店した。奥村さんは「カフェを通じて吃音への理解を深めてもらい、不安や悩みを抱える若者が幸せに生きられる社会を目指したい」と話す。常設店ではないため、場所を提供してくれる施設や店、学校を必要としており、「今後は地方や郊外での活動も積極的に取り組んでいきたい」と力を込める。県内では11月19日、さいたま市大宮区でも開催予定だ。吃音のある高校生以上の学生を対象にスタッフの募集も行っている。

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